礼文のトド島
またまた礼文島の話で恐縮です。昨日(6月23日・日曜日)朝のNHK番組で、礼文島のトド射ち漁師の話がありました。礼文島では秋になるとシベリアから多くのトドがやってきて春まで沿岸で過ごします。礼文の多くの人々は漁業に従事していて、魚を獲る網をトドが破り魚を食べてしまうそうです。そのためトドは害獣とされ、駆除の対象となってしまいました。番組は80歳を超えたトド射ちの名人の話でした。
その漁師は普段は漁業に従事しているのですが、冬はトドを獲っていて昨シーズンは10頭仕留めたそうです。でも漁師は言いました。「トドが悪いんじゃない、人間が悪いんだよ」と。トドだって魚を食べて生きています。人間はその魚がいる海に網を張って根こそぎ魚を獲っているのですから、トドだって生きていくために網の中の魚を食べるのです。そうですね、これは陸上の熊やイノシシと人間の関係と同じです。この頃の群馬のテレビのローカルニュースでは熊やイノシシの出没が伝えられ、これらの動物は危険ですから近づかずに警察や役所に連絡してくださいというのです。トド打ち名人に言わせれば、これも悪いのは人間なのでしょうね。はるか昔は人間も少なくて動物と人間は共存していたのでしょうが、今は人間は70億人にも増えてしまったのですから。
トド島(2024年6月13日) 礼文島北端のスコトン岬から見たトド島です。時期によっては礼文島のあちこちでトドやアザラシを見ることができるそうです。私はもう20年近く前になりますが、稚内の抜海漁港で多くのトドの群れを見たことがあります。
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