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2013年4月17日 (水)

水俣病の認定

 4月16日に最高裁で、提訴から11年たった水俣病訴訟2件の患者認定を認める判決を下しました。このうち熊本での提訴では、1977年に水俣病で死亡した77歳の母親のことです。提訴した息子さんがすでに母親の齢を越えて81歳になっています。国(環境省)は、水俣病を1968年に正式に公害と認め、1977年の認定基準では2種類以上の症状が現れることとしていました。その基準で認定を受けた方はたった3000人弱です。症状が1種類でも総合的に判断するという条項はあったのですが、役所は厳格に適用し複数の症状がない人は認定されませんでした。そのような人が少なくとも7万人はいるでしょう。最高裁の判決は、「複数の症状は合理的ではあるが、症状の組み合わせがなくても水俣病ではないとの科学的根拠はない」として、「国が認定しなければ、裁判所が審査して認定する」とまで言っています。

 素晴らしい判決です。司法の良識ここにありと云えます。ただし、これで同様な訴訟が増えた場合、いったい判決が下るのに何年かかるのでしょうか。当初の水俣病患者の大多数はすでに亡くなっているでしょう。もっとも望ましいのは、国が基準を柔軟に運用することです。しかし、役人と云う動物は責任を取りませんから、このような対応はできないでしょう。これを打破するのが政治と云うものです。熊本県知事は判決後直ちに謝罪し、「県として速やかに認定する」と述べました。そんなことを言うくらいならもっと早く認定すれば良かったとは思いますが、政治としては大前進でしょう。私は土壌・地下水汚染の調査と対策を仕事としているものです。水俣病は汚染の規模をはるかに超えていますが、同様の現象を扱うものとして、「疑わしきは患者の利益に」の立場に国は立ってもらいたいと思います。

アブラチャン(2013年4月13日 群馬県西部・大屋山) 面白い名前の木です。春になり、いち早く小さな黄色い花を咲かせます。ダンコウバイによく似ていますが、アブラチャンは多くの幹が株立ちしているので遠くからでも見分けられます。

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