故郷は遠くにありて・・・
福島原発の地元の自治体がいろいろなことを考え始めています。ある町では今帰れないならば、分散していくつかの居住単位を作ることを考えているようです。第一原発があった大熊町では、町全体を「帰還困難区域」とすることを政府に求めようとしています。そうすると、帰れないのですから道は二つしかありません。町としての共同体を別の地域に構築するか、町そのものを解散して移住した土地に溶け込むかです。30年、50年と帰れないのなら、故郷そのものが消失するのと同じことでしょう。帰れない故郷は、遠くで想うしかできないのです。町長の決断は極めてつらいものがあるでしょう。
40年ほど前に、日本は太平洋に沈没しました。と言っても小説の上ですが・・・。故郷を失った民は世界に散り、各地で共同体を作り上げました。オーストラリアに作られた臨時政府の首相は、熱帯地方や海上のメガフロートに大規模共同体を作ろうとするのですが、地球シミュレータが予測した気候変動(氷河期襲来)の影響により不可能なことがわかってきます。次期首相は、共同体を作ることをあきらめ、地球の隅々に溶け込むことを考えます。と、うろ覚えながらこんな筋書きだったと思います。小説(実質は谷甲州執筆)は駄作なのですが、東日本大震災の後ですと考えさせられる内容です。もっとも、遠い未来には、日本人はノアの箱舟のような宇宙船に乗り込んで、宇宙を目指すことになりますが・・・。
ミスミソウ(2012年3月19日 家の庭で) ユキワリソウとも呼ばれ、中部以西の山地に見られるそうです。残念ながら私は自生しているのを見たことはありません。これこそ別名のごとく、雪解けとともに咲く花です。
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