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2008年10月 9日 (木)

ノーベル賞と科学

 日本人が一度に四人もノーベル賞を受賞しました。たいへんすごいことで、驚いています。それも、物理と化学の2分野ですから、本当に誇らしいことです。新聞には、「わが国の科学の底力を示した」とか「日本の科学のすばらしさ」とか書いてありました。でも、ちょっと待ってください。ノーベル賞は本当にすばらしいことですが、日本の科学に底力はあるのでしょうか。4人のうち二人は頭脳流出組で、アメリカの研究機関での研究が対象です。それも1960年代という40年以上も前の研究です。受賞が遅すぎたともいえますが、受賞したのは当時の人たちの底力であって、今の日本に本当に底力はあるのでしょうか。

 大学が法人化し、研究も早い成果を求められ、それによって補助金が増減するような仕組みの中で、本当の基礎研究ができるのでしょうか。私たちの業務のひとつの分野である地質学では、フィールドに出る学生が激減しているといいます。昔は一ヶ月も山にこもってルートマップを仕上げたなどということも、今はほとんどないそうです。また、地下水学を教えてくれる大学も、指折り数えるほどに減りました。理科離れが言われて久しいこのごろですが、これから先、何十年も前の基礎研究でノーベル賞を受賞するというようなことが起こるのでしょうか。今われわれは、先達の研究遺産によって技術を誇っているに過ぎないような気がします。

谷川岳紅葉(2003年10月4日) ちょっと古い写真ですが、谷川岳周辺は10月になると頂上から紅葉が始まります。正面はオキノ耳(1977m)です。

031004

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